幸せを告げる電話
夕方7時頃、携帯電話に非通知の着信があれば「彼女」からの電話かもしれない。
その電話に出ると「彼女」は嬉しそうに話しだす。面識はなく、唐突の電話であることを詫びながらも。
「彼女」は友達がいないという。
なぜなら「彼女」は外に出ることができない。「彼女」の父がそれを許さないのだそうだ。
それでも「彼女」は友達が欲しい。それで電話に思い至った。
そして「彼女」は願う。
「もしよかったら、あたしとお友達になって欲しいな。お友達になってほんのちょっとだけお話を聞いてほしい」
この言葉に可否を与えることはできない。
なぜなら言うや否や「彼女」は話し始めているからだ。身の上話を。
それは、聞くに堪えない父親からの虐待の様子だ。
「彼女」は夢見るような口調で、悲観するでもなく、生きているのが不思議なほどの地獄を淡々と話し続ける。
それでも最後はこう締めるのだ。
「でも、あたしは今幸せよ。あなたが私のお話を聞いてくれるから」
そうして翌日も10分だけ電話に付き合ってほしい旨を告げ、一方的に電話は切れる。
そう、全てが一方的。
あいづちも質問も何も彼女には届かない。それらは全てなかったこととして扱われる。
その後も毎日、午後7時頃、非通知の電話はかかってくる。毎日少しずつ様相を変える虐待の内容を伝えるために。
それでも「彼女」は幸せなのだ。
しばらく電話に出ないでいると、「彼女」からの着信はなくなるという。
他に良いお友達を見つけたということだろうか。
虐待の惨情を聞かされる精神的苦痛を除き、この電話から後の実害はないという。
その電話に出ると「彼女」は嬉しそうに話しだす。面識はなく、唐突の電話であることを詫びながらも。
「彼女」は友達がいないという。
なぜなら「彼女」は外に出ることができない。「彼女」の父がそれを許さないのだそうだ。
それでも「彼女」は友達が欲しい。それで電話に思い至った。
そして「彼女」は願う。
「もしよかったら、あたしとお友達になって欲しいな。お友達になってほんのちょっとだけお話を聞いてほしい」
この言葉に可否を与えることはできない。
なぜなら言うや否や「彼女」は話し始めているからだ。身の上話を。
それは、聞くに堪えない父親からの虐待の様子だ。
「彼女」は夢見るような口調で、悲観するでもなく、生きているのが不思議なほどの地獄を淡々と話し続ける。
それでも最後はこう締めるのだ。
「でも、あたしは今幸せよ。あなたが私のお話を聞いてくれるから」
そうして翌日も10分だけ電話に付き合ってほしい旨を告げ、一方的に電話は切れる。
そう、全てが一方的。
あいづちも質問も何も彼女には届かない。それらは全てなかったこととして扱われる。
その後も毎日、午後7時頃、非通知の電話はかかってくる。毎日少しずつ様相を変える虐待の内容を伝えるために。
それでも「彼女」は幸せなのだ。
しばらく電話に出ないでいると、「彼女」からの着信はなくなるという。
他に良いお友達を見つけたということだろうか。
虐待の惨情を聞かされる精神的苦痛を除き、この電話から後の実害はないという。
by patorakko
| 2010-09-10 22:00
| 都市伝説のほう